パワーナップ(積極的仮眠)とは?効果的な仮眠時間、方法を解説!
こちらの記事では「パワーナップ」ついてと、やり方を解説していきます。
あなたは「パワーナップ」という短時間の昼寝をご存知でしょうか。
実は、この昼寝は脳や身体の疲労をとるためには非常に効果的な習慣なのです。
海外の大企業では結構取り入れていると言われています。
午後の眠気には生体リズムも影響しているので、睡眠をとっていても眠くなってしまうことがあるのです。
眠気が生じると仕事中の作業エラーや居眠り事故の原因になりかねません。
眠気による作業能率の改善には適度な仮眠が効果的といわれています。
パワーナップを積極的に取り入れる事で眠気を解消し、作業能率アップしますので、この記事ではパワーナップの方法や、どんな効果を得られるのかについて解説します!
目次
1.パワーナップとは
2.パワーナップの効果
(1)疲労回復
(2)作業能率の改善
(3)集中力アップの可能性
(4)記憶力アップの可能性
3.パワーナップの正しい作法とは?
(1)仮眠時間は20分がベスト(最大30分)
(2)デスクに顔を伏せて寝る。できれば、体を横に
(3)光と音はできるだけ遮断する
(4)仮眠は午後3時までに
(5)同じ時間、同じ環境でとる
4.すっきり目覚める方法
(1)眠る前にカフェインを飲んでおく
(2)起床直後に光を浴びる
(3)冷水で洗顔をする
5.まとめ
1. パワーナップとは
仕事効率化をはかる上で世界的な企業から注目を浴びているのが、パワーナップ(power-nap)です。パワーナップとは、英語でお昼寝やうたたね、短時間の睡眠をあらわす『nap』と、powerupをかけて作られた造語です。
通常私たちがとる夜の睡眠に加えて、日中に短時間の仮眠をとると睡眠の効用が最大化され、集中力が増し、疲労が緩和されるといわれています。
記憶は眠っている間に定着するとか、睡眠によって情報が整理される、人間の体は眠っている間に効果的に修復されるなど、睡眠の効果と重要性に関する研究は多くあります。パワーナップの効果も大学や研究機関で様々な検証が行なわれ、その効果に科学的裏付けが成されています。
極限の集中力が求められる宇宙飛行士を養成するNASA(アメリカ航空宇宙局)は1994年、航空機のパイロットに「パワーナップをとる/とらない」という二群に分けた実験を実施しました。その結果、「作業能力と覚醒状態に有意な差が見られた」という研究結果を報告されています。
アメリカではパワーナップの効果の認知度も高く、NASAをはじめ海兵隊などでも一日のスケジュールの中にパワーナップをとる時間が設けられているそうです。
2. パワーナップの効果
パワーナップで効率的に疲れをとることにより、以下のようにさまざまな効果を期待できるとされています。
ある研究論文では、デスクワークの中でも作業負荷の高いコンピューターを使う作業において、疲労回復と予防に効果があることが報告されています。
その研究では、1時間の作業後に20分の休憩をとった場合と、20分の仮眠をとった場合を比較した結果、休憩では一時的な疲労の軽減がみられるものの、その後作業を繰り返すと再び疲労感が上昇しました。
一方、20分の仮眠後は、作業中も疲労は低いままであるため、仮眠は疲労回復と予防に効果があると論文内で述べられています。
この研究結果にもわかるように、仮眠を取ってしっかり脳を休める事は非常に重要だということがわかりますね。
午後に現れる強い眠気は、作業エラーや居眠り事故を誘発するなど、作業能率を低下させる原因になりかねません。
どうしてもお昼ご飯を食べた後は血糖値が上がってしまうので、特に昼に暴食されている方は、お昼以降急激な眠気に襲われます。
それなので、午後の眠気対策としてパワーナップを導入することは、作業能率の改善やパフォーマンス向上を期待できます。
強い眠気は集中力や注意力を低下させる可能性があります。
先ほどもお伝えしましたが、昼食後は急激な眠気に襲われます。そうすると脳はしっかり働いていないので、集中力がダウンします。
仮眠を取ることでその眠気を吹き飛ばして、仕事に集中する事が可能でしょう。
パワーナップは記憶力にもよい影響をもたらす可能性があるとされています。
睡眠は体を休めるためだけではなく、記憶力・気分調節・免疫機能の増強など身体機能や精神機能に関連しているといわれています。
このようにパワーナップで日中の眠気を改善することで、午後の仕事やトレーニングのパフォーマンスをアップさせる可能性があります。
他にも下記の様な効果も期待できますので、パワーナップを取り入れる事を重要ですね。
・ストレス軽減
・心臓疾患や認知症の予防
3. パワーナップの正しい作法とは?
パワーナップを行う場合は睡眠時間や、やり方がポイントになります。
一般的に仮眠は4時間以下の睡眠を指しますが、このぐらい仮眠を取ってしまうと、眠気が覚めてすっきりする場合と、かえって疲労感がとれず眠気も改善されない場合があります。
また、長時間仮眠をとると夜中々眠れないといったことにもなりかねないので、やり方をしっかり知って、適度に時間設定するとよいでしょう。
ここではパワーナップの具体的なやり方を解説します。
今ではパワーナップの研究が進んでいますが、いわゆる昼寝との決定的な違いは、人間の睡眠のメカニズムに沿って眠る時間が設定されているということです。
睡眠には浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠の2種類あり、睡眠中はそれらが約90分周期で交互にやってくることがわかっています。
しかし、眠り始めはノンレム睡眠に入る時間が短く、30分以上仮眠を取ると、脳や体が覚醒しにくい深い眠りに入ってしまうのです。
そうなると眠気が勝ってしまい作業効率化どころの話ではありません。というわけで、パワーナップは20分がベスト、30分が限界、30分以上は逆効果とされていますので、寝すぎには注意してください。
パワーナップには脳だけでなく体の疲労をとる効果もあると言われています。本来は効果を最大限引き出すためには体を横にして眠った方がいいと言われています。
しかし、オフィスなどでは体を横にして眠るのが難しいと思います。そんなときは机に顔を伏せて寝る状態で眠るといいです。疲労やストレスをリセットできるパワーナップには社員の成人病や突然死のリスクを減らす効果も期待できます。
夜の睡眠でも同じことが言えますが、光と騒音は睡眠の質を大幅に下げると言われています。できるだけ静かなところで、照明を落として仮眠をとりましょう。オフィス環境ではデスクに顔を伏せ、ジャケットやタオルケット、ブラウンケットなどをかぶってしまうのも効果的です。
睡眠時間が20分で良いとなるとお昼休みでも十分対応は可能です。
午後の就業開始に合わせてリフレッシュというのが理想的です。実はパワーナップの効果は午後3時までの仮眠に限定されるという説が一般的だからです。
3時を過ぎてしまうと、夜の睡眠に悪影響で、逆に不眠や睡眠障害につながるおそれがあります。
大切なのは夜の睡眠です。逆に夜の睡眠に悪影響を与えるようではパワーナップとは呼べませんよね。
パワーナップとして仮眠を取り入れる場合は、できれば同じ時間、同じ環境で仮眠を取るのが望ましいです。
パワーナップは、眠くなったときに20分眠れば復活という対処療法的な使用よりも、スケジュールに組み込んで計画的にとった方が効果を引き出せます。
会社にいる場合、眠っている側も罪悪感がある場合もあります。そうした職場への感情面での悪影響をなくすためにも、効果的なパワーナップがスケジューリングされている状態にしておくことが大切です。
4. すっきり目覚める方法
通常、20分以内の仮眠では深い眠りが訪れないため、起床直後の眠気やパフォーマンスの低下は起こらないとされていますが、睡眠不足や体調により必ずしもすっきり目覚めることができない場合があります。
特にパワーナップ初心者の方は中々慣れずに、起きた後も眠気が辛いなんてこともあると思います。
そういった時に対処法として4つのポイントをご紹介します。
パワーナップ最大のコツは、20分程度で目覚めることです。
しかし、疲れていたり、夜更かししていたりすると寝過ごしてしまうのが心配ですよね。そこで、推奨されているのが、眠る前にコーヒーや紅茶などのカフェイン含有飲料を飲んでおくことです。
覚醒作用があるカフェインは眠気覚ましとして日常的に用いられますし、朝の眠気覚ましに飲まれる方も多いかと思います。しかし、仮眠をとる前に摂取したら眠れなくなるのでは?と疑問に思われると思います。
実はカフェインは服用してから効果が現れるまで15~30分かかるとされています。カフェイン効果が表れるのは20分から30分後ですから、目覚めたい時間にちょうど覚醒効果が表れます。アメリカでは『カフェインナップ』なる言葉もあると言いますから、カフェイン飲料はパワーナップに最適の飲料と言えるでしょう。
明るい光には目を覚ます効果があるため、仮眠したいときには光を遮断し、起きたときに光を浴びるといいですね。
日中に光を浴びると筋交感神経系の活動を高めるため、眠気を抑制し、パフォーマンスを向上させるといわれています。
起床後に冷たい水で顔を洗うと目が覚めることは広く知られています。
パワーナップ後にすっきりした覚醒を感じられなかったときは、なるべく冷たい水で洗顔してみると一気に気合が入ると思います。
5. まとめ
皆さんパワーナップの効果はお分かりいただけましたでしょうか?
パワーナップは、現代社会を生きる上で究極のリラックス習慣といっても過言ではありません。
世界的な大企業が社員のパフォーマンス向上のために取り入れていますが、日本の企業ではまだまだ浸透していないと思います。それでも取り組んでいる企業や学校からその効果が報告され始めて、今後パワーナップという言葉も少しずつ社会に浸透していくと思います。
まずは昼休みの時間を使ってパワーナップを実践し、自分自身で効果を確かめてみましょう。
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